機械のピラティス(マシンピラティス)ってなに?マットとの違いやマシンの種類について

話題のピラティス、気になってるけどいろいろ種類があってわからない。機械のピラティス(マシンピラティス)ってなに? と思っている方へ向けて、初心者さんでも分かりやすいように機械ピラティス(マシンピラティス)とはなにか?をまとめてみました。

そもそも機械ピラティス(マシンピラティス)とは?

出典:リントスル

マシンピラティスは、ピラティス専用の機器(リフォーマーやキャデラックなど)を使って行うエクササイズです。マットピラティスと違うのは、バネ(スプリング)の「抵抗」や「サポート」を利用してトレーニングできるところ。筋力強化をしたいならスプリングを重くして負荷を高め、リハビリや柔軟性アップが目的ならバネのサポートで体を助けながら動く…といった調整がしやすいのがポイントです。

マットピラティスとは?

出典:zen place

いっぽうマットピラティスは自分の体重だけで行うので、「自分でしっかり体をコントロールする力」が求められます。マットなら場所も取らず手軽に始められるメリットはあるものの、負荷調整が難しく、正しいフォームを身につけるには指導や知識が大切。でもマシンピラティスなら、スプリングが自然に軌道を導いてくれるのでフォームを崩しにくく、初心者や筋力に自信のない方でも挑戦しやすいんです。

代表的なピラティスマシンと特徴

リフォーマー(Reformer)

出典:zen place

マシンピラティスといえば、まずはこれ。ベッドみたいなフレームに可動式の台(キャリッジ)があって、そこにスプリングやフットバー、ストラップなどがついています。仰向けやうつ伏せで足元のバーを押したり、手足にストラップをかけて引っ張ったりしてトレーニングできる、いわば「ピラティスの王道マシン」。

  • スプリングの強さを変えることで負荷を細かくコントロール可能
  • 仰向け・うつ伏せ・横向き・立った姿勢など、多彩なポジションで全身をバランスよく鍛えられる
  • 関節への衝撃が少ないので、怪我予防やリハビリにも使われる

キャデラック(Cadillac / トラピーズテーブル)

出典:DEP

ベッド台のまわりに大きな金属フレームが取り付けられた、ちょっと壮観なマシン。バーやストラップ、スプリングなどいろんな器具がぶら下がっていて、多機能ぶりが「高級車キャデラック」の名の由来にもなっています。

  • 看護師だったジョセフ・ピラティスが負傷兵のリハビリ用に病院のベッドから着想を得たマシン
  • 大きなベッドの上でエクササイズできるので、高齢者やリハビリが必要な方にも優しい
  • スプリングやバーを使って、普段意識しにくい筋肉にアプローチしやすい

ワンダチェア(Wunda Chair)

出典:zen place

パッと見は小さな椅子のようですが、座面の片方にペダルがついていてスプリングで抵抗がかかる仕組み。ジョセフ・ピラティスが「家庭用にも使える椅子」としてデザインし、実際、普段は椅子としても使えるアイディア商品でした。

  • 座ったり立ったり、腕立て伏せポジションを取ったりなど、いろいろな姿勢でトレーニング可能
  • 小型ながら下半身強化、体幹強化、上半身トレーニングなどオールマイティに使える
  • 支持面が狭く不安定なので、バランス感覚やコアの安定性がとくに鍛えられる

バレル系(ラダーバレル & スパインコレクター)

大きな「半円筒(樽)」に体を預けてストレッチや筋トレをする器具。背骨の柔軟性や姿勢矯正に効果的です。

  • ラダーバレル:樽型のクッション+はしご(ラダー)が一体化していて、背中を反らしたり横に倒したりしながらエクササイズ
  • スパインコレクター:もう少し小型で、背中の下に敷くように使って猫背改善や腹筋補助などに活用

どちらも脊椎まわりをほぐしながら筋肉を強化してくれるので、姿勢改善やストレッチしたいときに大活躍です。

機械ピラティスの主な効果

姿勢改善&体幹強化

ピラティス全般に言えますが、いちばんの魅力は「姿勢がきれいになる」こと。マシンを使えば、初心者でも比較的ラクに正しいフォームが取りやすいので、猫背や反り腰が気になる方にもおすすめ。深層筋(インナーマッスル)をバランスよく鍛えられ、コアが安定するので、腰痛予防や肩こり改善も期待できます。

筋力アップ・筋持久力アップ

マシンだとスプリングの負荷を変えられるので、筋トレ目的で負荷を高めることもできます。鍛えたい部位だけピンポイントで負荷をかけたり、サポートを入れたりできるため、無理なく筋力をつけられるのが大きな強み。継続すれば、特に体幹や背筋、下半身がしっかりしてくるのを実感しやすいです。

柔軟性向上

コントロールされた動きで関節をいろんな方向に動かすため、関節可動域が徐々に広がります。キャデラックのバーで深いストレッチをしたり、ラダーバレルに背中を預けて胸を開いたりしていると、「気持ちいい〜」と感じると同時に柔軟性がアップ。可動域が広がると怪我のリスクも減り、日常動作がぐっと楽になります。

バランス能力アップ

不安定なリフォーマーや小さい椅子型のワンダチェアの上で動くと、意識せずとも体幹やバランス感覚をフルに使います。続けていると、立ち姿や歩き方がスッと安定してくるはず。転倒予防にもつながるので、リハビリや高齢者の運動としても人気です。

リハビリ効果・痛み軽減

ピラティスは理学療法の一環として使われることも多く、マシンのサポートで関節や痛い部位に負担をかけずに必要な筋肉を動かせるのがメリット。腰痛や膝痛で悩んでいる方、産後リハビリの方にも向いています。骨粗鬆症の方の研究でも、リフォーマーで筋肉を鍛えた結果、骨密度が改善した例もあるそうです。

ボディメイク・美容効果

体幹や姿勢を整えることで、体がしなやかに引き締まっていきます。モデルさんやK-POPアイドルも取り入れているように、「お腹やお尻が引き締まって足もスッキリした」という声は多いです。インナーマッスルが鍛えられるので基礎代謝も上がりやすく、痩せ体質づくりに役立ちます。

メンタルヘルスにも効果的

ゆっくりした呼吸をしながらコントロールして動くので、終わった後は「頭がスッキリした」「心がリラックスした」なんて感想もよく聞きます。運動すること自体がストレス発散になりますし、ピラティス特有の呼吸法で自律神経が整うとも言われています。

日本でのマシンピラティス人気と海外トレンド

日本において、一昔前は「ピラティス=ヨガスタジオの一角でやっているマットピラティス」というイメージが強かったですが、近年はマシンピラティスの専門スタジオがどんどん増えています。特に、K-POPアイドルや海外セレブがSNSでリフォーマーに乗っている姿が話題になり、「私もやってみたい!」と興味を持つ女性が急増中。

  • Pilates K(ピラティスK) のように音楽に合わせたグループレッスンを手頃な料金で提供しているスタジオが拡大し、通いやすくなった
  • 韓国大手スタジオが日本に上陸する動きもあり、さらに注目度アップ

欧米ではもともと「ジムやヨガと同じくらいメジャーなエクササイズ」として定着しています。アメリカでは Club Pilates や Solidcore など、大手チェーンスタジオが全国展開していて、仕事帰りや週末に気軽にリフォーマークラスへ行く文化が根付いているようです。オーストラリアでも理学療法士がリフォーマーを使ってリハビリしたり、産前産後ケアに活用したりと、いろいろな場面で活躍しています。

ヨガやマットピラティスとの違いは?

ヨガとの比較

  • 起源・目的が異なる:ヨガは古代インド発祥で「心身を結びつける」ことが主目的。一方ピラティスは20世紀にリハビリ目的で生まれた近代的エクササイズ。
  • 動き方の違い:ヨガはポーズを保持して深く呼吸する、ピラティスはリズミカルに体を動かし続けるスタイル。
  • 効果の違い:ヨガは瞑想や精神面の安定、柔軟性アップに強み。ピラティスは体幹強化・姿勢改善、リハビリ効果に強み。

マシンピラティス vs マットピラティス

  • 器具の有無:マットは体ひとつあればOK。マシンは専用の大型機器を使うので負荷・サポート調整がしやすい。
  • バリエーション:マットは基本数十種類、マシンはバリエーションが数百にも上り、細かくフォームを矯正・コントロール可能。
  • 習得のしやすさ:マットは器具の助けがない分、「正しいフォームが分かりにくい」という声も。マシンは軌道や姿勢を自然にサポートしてくれるので、初心者にも分かりやすい。
  • 費用面:マットは場所を選ばず始めやすく、安価。マシンは専用設備が必要でレッスン料金もやや高め。

レッスン形態と料金相場

マシンピラティスは、大きく分けて「プライベート(個人)レッスン」と「グループレッスン」があります。

プライベートレッスン

  • メリット:完全マンツーマンで自分に合ったプログラムを組んでもらえる。初心者やリハビリ、特定の悩みを解消したい人に最適。複数のマシンを組み合わせることも多く、贅沢感がある。
  • デメリット:1回あたり8,000〜12,000円前後が相場と、やや割高。

グループレッスン

  • メリット:1クラス50〜60分で3,000〜5,000円程度と、プライベートより安い。仲間と一緒に行うのでモチベーションも上がりやすい。
  • デメリット:個別最適化はそこまで深くはできない。定員制なので予約が埋まりやすい人気クラスもある。

参考価格例(都心部)

  • プライベート:1回あたり約9,000〜10,000円(回数券で少し割安になることも)
  • グループ:1回3,000〜4,500円、月4回プランで1.5万円前後、といった料金設定が多い

いきなり個人レッスンを受けるのがハードル高い方は、まずはグループ体験レッスンに参加するのがおすすめ。スタジオによってはお得な体験プランや月定額プラン(通い放題、月数回までなど)もあるので、自分に合った通い方を探してみてください。

マシンピラティスは初心者にもおすすめ!

  • スプリングのサポートでフォームを安定させやすく、負荷調整もしやすい
  • 全身の筋力強化から姿勢改善、リハビリ目的まで幅広く対応できる
  • マシン自体が大きく、設置も難しいので自宅導入はハードル高め。専門スタジオで行うのが基本
  • 値段はやや高めだけど、効果も実感しやすいので「自分への投資」と考える人が多い

マシンピラティスは「なんだか難しそう」と思われがちですが、実は初心者や運動が苦手な方でも取り組みやすいエクササイズです。分からないことはインストラクターに聞きながら無理のない範囲で始めるのがコツ。続けるほどコアが鍛えられて姿勢も良くなり、体型が引き締まってくるのでモチベーションも上がります。ぜひ一度、体験レッスンなどでその楽しさを実感してみてくださいね。あなたの「なりたい体」や「健康目標」を叶える手段として、マシンピラティスはきっと力になってくれるはずです。

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